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マーケティングとは、ブランディングである。

具体的な事例とわかりやすい文章でブランドの本質を伝える本書。ブランディング22の法則。

世界の様々な有名企業の事例を学べて、いつのまにかマーケティングの専門家的「ブランディング」発想が身について、読み終わる頃には「さて、じゃあうちのブランドにはどんなイメージを持たせようか…」と頭が回り始めることでしょう。

著者がブランディング戦略専門のコンサルタントなだけあって、実務家の視点と言葉でマーケティング理論の本質を伝える稀有な一冊です。「ブランディングって、、、ロレックスやルイ・ヴィトンやレクサスの世界の話しでしょう?」と、思った方には必読です。

近所のスーパーマーケットの中で勝敗を決めているものこそブランディングなのです 。

ハンブル・リーダーシップ


社会の変化のスピードが激しく、自分が経験したことのない状況にも関わらずスピーディーかつ適切な判断を求められる今の時代、リーダーシップを発揮するのは簡単なことではありません。

ハーバードビジネスレビュー7月号では、そんな悩めるリーダーたちのヒントになる新しいリーダーシップスタイルが紹介されていました。

MITスローン経営大学院のSchein教授が提唱する、
【ハンブル(謙虚な)リーダーシップ】 

リーダーシップをリーダーとフォロワーの関係性で捉えることをやめて、もっと言うと、そもそもの仕事上の役割という関係性を超えて、同じ目的を共有する対等な個人として、ともにプロジェクトの成功を目指します。具体的には、自分では理解できない部分・判断できない部分を素直に伝え、部下(と、言うよりはむしろ対等なチームメンバー)に質問して彼らの知見・意見を求め、議論しながら進めることでプロジェクトを成功に導く。そして、失敗した時にはすべての責任を取る。これが、ハンブル・リーダーの姿、なのだそうです。

チームメンバーの性別、国籍が様々で、年上の部下をマネジメントすることも珍しくなくなった今、リーダーシップのスタイルも変えていく必要があるのは誰もが感じるところです。とは言え、突然アメリカのドラマのようなカジュアルな関係を作るのは難しく、既存の日本的空気を壊さずにスムーズにリーダーシップスタイルを変化させていく方法は誰もが悩むところ。

このハンブルリーダーシップは、日本社会の感覚にもフィットしやすいように感じます。会社の人間関係に当てはめて考えると、これまでの統制型組織の常識から逸脱するのでイメージしにくいですが、個人の関係に当てはめると、至極当然のことを言っています。夫婦や友人との関係は、まさに、自分は完全ではないという謙虚な気持ちをもち、相手を信頼し、尊重し、一緒に考えてより良い答えを導くものです。人として当たり前のことなのに、私たちは、なぜか会社では人間らしくいられないのかもしれません。

興味持たれた方、Schein教授の最新の著書で一緒に学んでみませんか?私もこれから読んで勉強したいと思います^^

2019年のベストブック

350頁のほぼ全てが、社会学・哲学の50のコンセプトに関するエッセンシャルなお話で占められている稀有な一冊。著者は、紹介する各著を当時の時代背景も含めて学び、咀嚼してしっかりと自分のものにした上で、そのエッセンスだけを分かりやすく解説してくれています。

実学志向のビジネス書のようなタイトルですが、知識と技術のみに終始せずにリベラルアーツを学ぶ重要性を教えてくれる素晴らしい一冊でした📖