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従業員の自主性を引き出す方法

「エンパワーメントは一日にして成らず」(意訳)
という、自律型組織づくりの教科書のご紹介。

従業員に自主的・意欲的に仕事をしてもらうことは、人材の限られた中小企業がみな理想とするところです。権限移譲、ビジョンの共有、よくほめる?etc…やるべきことがなんとなくわかるようで、いざ取り組もうとしても全く成果が見えてこない。。。大半の企業がもどかしい状況にあるのではないでしょうか。

同じ状況から、星野リゾートの星野社長が自律型組織を築き上げた指南書が、こちら。

小説仕立てになっていて、読者は主人公の経営者と一緒に自立型組織づくりの手順とポイントを学べます。
そのポイントとは。。。?

1.客観的な経営指標情報の共有
→顧客満足度の調査結果や客数、客単価、商品の利益率、恥ずかしくても店舗損益情報まで!こうした情報が、従業員が自分で考えるためのベースとなります。

2.ビジョンと個人のミッションの明確化
→会社は、何のために存在しているのか、その会社の存在目的実現のために、自分はどんな役割を果たしていくのか。ここに筋が通ると、スッキリします。

3.組織構造をピラミッドから逆ピラミッドに移行する
→長期戦であり、経営者としては、焦る自分との闘い。覚悟と忍耐が必要。上下意識の強い日本の場合、フラットな人間関係の素地をつくることが、まずは必要です。

ちなみに、日本語タイトルは、なぜか「1分間エンパワーメント」ですが、原書は「エンパワーメントは1分じゃ無理(直訳)」、と、真逆のタイトルです。組織改革は一朝一夕にはできませんよね。
ストーリー仕立てで読みやすいですが、中身は深く、示唆に富む良い本ですよ^ ^

『星野リゾートの教科書』

ショーペン・ハウエルの「読書について」には、「大衆本は読んでも無価値どころか有害だ。後世に残る良書を読め。」という趣旨の内容が辛辣な言葉で記されています。170年経った今も事情は同じですが、膨大なビジネス書の中から良書を探し当てるのは相当難しい。。。
経営者のそんな悩みに答えてくれるのが、星野リゾート社長、星野氏が、会社経営の教科書として愛読する名著30冊を紹介する本書。

各書籍から星野社長が学んだエッセンス、実践内容をとてもシンプルにまとめており、字が少なく、非常に読みやすいです。経営学など勉強したことがなくても、「経営学の本を、地方の中小企業経営に生かせるのか💡」と、面白くスラスラ読んでもらえる内容です。さすが星野社長^ ^読者のモチベーションコントロールも考えている。
ついつい冗長になる私とは違います(笑)

星野社長は慶應大学経済学部卒業後に米コーネル大学ホテル経営大学院で修士課程を修了されており、経営学の名著のエッセンスをしっかりご自身で咀嚼され、実践されています。会社経営に取り組んでいる方にこそ、出会っていただきたい一冊です。

戦略、マーケティング、リーダーシップの三章に分かれているので、きっと、自社で今抱えている問題の糸口が記された一冊が見つかりますよ!
次の週末の課題図書にいかがでしょうか?