月別: 2020年4月

顧客満足度の測り方

ハーバードビジネスレビュー5月号は、一冊まるごと「顧客」がテーマでした。どの企業も顧客満足度向上に取り組んでいますが、アメリカで行われた調査の結果、残念ながら企業の認識と消費者の認識には大きなギャップがあることが分かっています。

自社がお客さんを本当に満足させているのか?不安ですね。実は、簡単な指標でチェックすることができます。

この図は、米国の有名なコンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーが開発した「NPS®(ネット・プロモーター・スコア)」という指標です。名前は難しそうですが、中身はシンプル。お客様へのアンケートで、「○○を家族/友人/同僚にすすめる可能性はどのくらいありますか?」という質問に対して、10点満点で答えてもらいます。
結果を0~6点は批判者、9~10点は推奨者として集計し、下の式にあてはめます。

NPS®=推奨者の割合(%)ー批判者の割合(%)

指標を決めて数字で「顧客満足度」を測ることで、客観的な数字で結果を共有することが可能になり、効率的に改善の取り組みを進められます。

毎回お客さんにアンケートを書いてもらうわけにはいかないので、新商品/サービスのリリース時に合わせて実施するなど、上手に取り入れて、強固な顧客基盤づくりに役立ててください。

以下サイトにわかりやすい説明がありますので、ご参照ください。
出典:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社HP
https://www.nttcoms.com/service/nps/summary/

『星野リゾートの教科書』

ショーペン・ハウエルの「読書について」には、「大衆本は読んでも無価値どころか有害だ。後世に残る良書を読め。」という趣旨の内容が辛辣な言葉で記されています。170年経った今も事情は同じですが、膨大なビジネス書の中から良書を探し当てるのは相当難しい。。。
経営者のそんな悩みに答えてくれるのが、星野リゾート社長、星野氏が、会社経営の教科書として愛読する名著30冊を紹介する本書。

各書籍から星野社長が学んだエッセンス、実践内容をとてもシンプルにまとめており、字が少なく、非常に読みやすいです。経営学など勉強したことがなくても、「経営学の本を、地方の中小企業経営に生かせるのか💡」と、面白くスラスラ読んでもらえる内容です。さすが星野社長^ ^読者のモチベーションコントロールも考えている。
ついつい冗長になる私とは違います(笑)

星野社長は慶應大学経済学部卒業後に米コーネル大学ホテル経営大学院で修士課程を修了されており、経営学の名著のエッセンスをしっかりご自身で咀嚼され、実践されています。会社経営に取り組んでいる方にこそ、出会っていただきたい一冊です。

戦略、マーケティング、リーダーシップの三章に分かれているので、きっと、自社で今抱えている問題の糸口が記された一冊が見つかりますよ!
次の週末の課題図書にいかがでしょうか?

飲食店のプロモーション新時代

日経ビジネス2020.04.13号に気になる記事が。3大グルメサイト(食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ)から、グーグル検索やマップ検索、インスタ検索へシフトしてきているという内容。
「飲食店を検索する際に使う手段の1位はグルメサイトで78.9%。2位が48.3%のグーグル検索だった。グーグルマップなど地図サービスは30.2%、インスタグラムなどSNSは23.6%となり、合計するとグルメサイトをしのぐ勢いであることが分かる。」(本誌47頁)
実際に飲食店のコンサルティングに携わっていて、大手グルメサイトの営業姿勢への不信感や、グーグルマイビジネスの重要性、MEO(map engine optimization:地図検索の最適化)といった話題が出ることが多く、現場感覚と一致します。
8割が利用するグルメサイトですが、予約システムを利用したり高額プランを購入して「送客そのもの」を期待するのか、検索する潜在顧客に自社の魅力を知ってもらう場とみなして「認知」を期待するのか。「送客」を買っても、自社の料理・サービスに魅力が乏しければリピートが難しく、コストのかかる新規顧客頼みの不安定な運営になってしまいます。
一方、商品・サービスをしっかりと設計した上で、グルメポータルサイトを新規顧客との出会いの場とみなし、自社の料理・サービスの魅力をお客様に伝わりやすく掲載できれば、安いプランで新規顧客を獲得してリピーターに育ててお店を安定的に経営することができます特に、大都市に比べて店舗数が圧倒的に少ない地方では、必ずしも高額プランを購入しなくても、ポータルサイトへの掲載内容を工夫できれば、大きな広告宣伝効果がある、というのが、滋賀で仕事をしている私の感覚です。
インスタ・グーグルマイビジネスでのジュアルイメージづくりの重要性が増しているのは間違いないですが、グルメポータルの利用率はいまだ80%と高い水準を維持しています。グルメポータルサイトを上手に利用し、安いコストで最大の宣伝効果が得られるよう、お金は出し渋って知恵を出しましょう♪

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/00117/00098/?P=2&mds